柿本セエカは9歳の時に、画家で歌人の父の手ほどきにより油彩画を始め、13歳・14歳の時ヨーロッパに絵画遊学して、若くして伝統的な油彩画技法を身に付けた。19歳でギャラリーと契約して約10年活動した30歳の時に阪神淡路大震災に罹災。24年の未発表期を経て、2019年春、本格的にその画業を再開した。
彼の絵画は伝統的な油彩画技法を特徴とし、確かなデッサン力であらゆる風景を光と詩情の絵画世界に翻訳する。
その生まれながらの独特のマチエールと一見古風な制作スタイルの裏で、つねに素材・技法における最先端の研究成果を採用しながらしなやかに最新のテクニックにチャレンジし続ける姿勢は、さながら絵画の求道者だ。